ミナといかんとは

幌延町の東側半分、問寒別地区は、上問寒、中問寒、問寒別、雄興からなります。東京23区のおよそ半分の面積に300人ほどが住んでいます。
問寒別に開拓の鉾が入ったのは明治末期のことです。以来昭和にかけて、開拓をすれば自分の土地が得られるとあって、夢と希望を持った若者がたくさん集まってきました。炭鉱で石炭を採掘していた頃には、今の約10倍、 2,800人余りが暮らしていたとのことです。学校が5校あったほか、商店や劇場や旅館が立ち並び、非常に賑わい活気のあった時代でした。
賑わった問寒別ですが、ここ数年、急速に過疎化・高齢化が進んでいます。地元に住む人たちからは、これから地域はどうなってしまうんだろうか、この先もここに住んでいられるんだろうかと、不安の声が多数聞かれるようになりました。
持続的に住み続けられる問寒別をどうつくっていくか。幌延町をはじめ、道総研のみなさま、その他数多くのみなさまのお力添えを得ながら、地域住民で何度も集まりました。勉強会を開いたり、議論を重ねたりするなかで、このままでは問寒別は大変なことになりそう、何か自分たちができることをやってみようということになり、NPO法人ミナといかんが設立されました。
法人名の「ミナといかん」は、準備委員会で話し合って決定されたものです。
- 問寒別なので「といかん」という字を入れたいね
- 笑顔で楽しく過ごしていきたいね
- この問寒別に自分たちの居場所があるといいね
笑うとか笑顔とかを、アイヌ語ではミナというそうです。語呂の良さも考慮し、設立するNPO法人の名称を「ミナといかん」と定めました。まだ設立されたばかりでできることには限りがありますが、いつまでも笑って暮らし続けられる地域づくりのため、さまざまな施策を展開していきます。
ミナといかんの役割
人口減少・高齢化が進む地域で、みなさんがずっと住み続けていくために必要なお仕事が「地域運営」です。
- 地域活動の拠点となる施設を運営する
- 地域の生活の足を提供する
- 地域の産業を支援する
- インフラや施設の維持管理にあたる
- 災害時の対応にあたる
- その他、不定期の業務(地域行事のサポート等)
人口約300人の問寒別では、これまでこれらの仕事を町(行政)や地域の人の助けあいによってカバーしてきました。しかし、行政は職員の減少や事務の複雑化によってこれまで通りのサポートを提供できなくなってきています。また、地域においても人口減少や高齢化、小家族化によって助けあいの担い手が減少しています。このような厳しい状況のなかで設立されたミナといかんは、問寒別の地域でみんながずっと住み続けられるよう、これらの地域運営を「お仕事」として、専属のスタッフによって実践していく、住民主体の組織です。
活動にあたっては、非営利を前提にいくらかお金をいただき、専属のスタッフが対応します。これまで通り地域の方にもボランティア活動をいただくことにはなりますが、お仕事の一部をミナといかんがお手伝いすることで、活動の負担を軽減しようとするものです。
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参考資料
- 問寒別地区・地域コミュニティ形成事業(PDF、令和7年2月6日)
ミナといかん設立の経緯、活動内容等について紹介しています。 - 地域運営組織について(総務省HP)
ミナといかんは、総務省が提唱する「地域運営組織」をNPO法人という形で実現したものです。